atelier omamagoto

written by natsume murao

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アート巡り・直島を行く

アート島の聖地とも言える直島へ行く。

豊島から直島への行き方は、直行の船便が極端に少ないため、宇野港(岡山)経由にした。

 

▼7:55 AM 豊島家浦港発 小豆島フェリーに乗る。乗船時間約25分。(普通乗船券 大人¥750)

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▲いつも海岸より遠くに見ていた船や島が目の前をすごい速さで過ぎて行く。

宇野港に着いたら、まず乗り継ぎの時刻表をチェック。

四国汽船の9:22発のフェリーに乗る。(待ち時間が約1時間)

乗車券は自動券売機で、往復分買うことができる。(普通乗船券 大人 往復¥540)

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▲待合所ではWi-Fi完備!旅行者に嬉しい。

▼フェリーに乗る。小洒落た客室内。宇野港から直島宮浦(みやのうら)港まで、乗船時間約20分。

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▲直島は観光地化されていると聞く。船内には観光客向けのチケット売り場(芸術祭を鑑賞する際に便利なパスポートがある)が用意され、島内MAPも配布されている。MAPは広げると両面刷りB2版ほどで、観光スポットとバス時刻表、お食事処、宿泊等各種連絡先が日英併記で記されている、かなり気合いの入った便利帳!

 

そして船内アナウンス。

まだ9:30だと言うのに、既に地中美術館の入場1時間待ち整理券が出ていると言う。

 

豊島ー宇野間の移動が40分間の乗船時間だと思うと、宇野ー直島間の20分というのはとても短く感じる。

 

そうこうしてうちに宮浦港に着いた。既にたくさんの観光客がいることに気づく。

港に到着すると同時に、誘導スタッフの元気な声が飛び込んでくる。パスポートの販売や、バス乗り場の案内だ。

 

当初のプランを変更して、まず地中美術館の整理券をGETすべく、誘導されるバスに乗った。超満員のバスなんて久々だ。東京でも、大雨の日か電車が麻痺している時くらいしか、こんな混み方をしない。

2番乗り場から出発した町営バス 大人¥100。10分もしないで、地中美術館まで着いた。(直行便)

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▲開館の10:00前だというのに、既に長蛇の列である。それでもなんとか、1時間半待ちの整理券を手に入れた。

※チケットを買うための整理券であり、入場券ではない。印字から30分以内が有効。

 

これまたスタッフに誘導されるがまま、入場を待つ間近隣の美術館を巡ることにした。

地中美術館前から15分間隔で無料のシャトルバスが出ているので、乗ってみる。

 

▼乗車して3分程で到着したリウファン美術館。写真は屋外作品。(チケットセンターの手前は撮影が許可されている)

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館内の「沈黙の間」が印象的であり良かった。

これほどまでじっと、石と対峙したことなどなかった。極限まで削ぎ落とされたマテリアルは、ただそこに鎮座し、自然の造形の美しさとふくよかな世界を見せてくれる。

 

▼そこから歩いてベネッセハウスミュージアムに向かう途中。海岸に見覚えのある黒いボートと黄色の物体が見えるのでシャッターを切った。

この謎は後で解ける。

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ベネッセハウスミュージアムB1Fに展示されている「黄色と黒のボート」(ジェニファー・バートレット 1985年)の作品の一部と化している。

当初はこのような形で展示される予定はなかったそうだ。

モデルとなった海辺は実在しないが、いざ、ベネッセハウスに本作が設置されてから、ちょうど題材に似た海辺をこんなにも近くに見つけたのだと言う。

それからスタッフの遊び心で、屋外にも同じ黄色と黒のボートを設置したそう。作品が展示されている壁と向き合った窓の向こうに同じボートが見えるという配置が実現した。

「作品自体はどこへでも持ち出せるけれど、さすがに窓の外の風景までは・・・」と、学芸員のお姉さんは自慢気に語ってくれた。

 

ベネッセハウスミュージアムからはまたもベネッセ運行の無料のシャトルバスに乗って地中美術館に行くことができる。

 

 

地中美術館のチケットセンターを越え、アートスペースへ向かう途中にある小さな庭。モネの睡蓮へのオマージュとして設置されている。

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自然光で見るモネの「睡蓮」は圧巻であった。

自分でも直球過ぎて意外ではあるが、自然とラヴェルの「水の戯れ」が頭の中に流れてきた。

パフュームの一瞬の残り香のような繊細で甘い空間。光の遊び。

 

ウォルター・デ・マリアの「タイム/タイムレス/ノー・タイム」は教会のような厳粛で霊的な雰囲気を感じさせた。

 

ジェームズ・タレルの作品は、家プロジェクト「南寺」に設置された作品にも通ずるが、人間の身体能力と錯覚を用いて新たな価値観を与えてくれる。

 

鑑賞料¥2000と割高ではあるが、見る価値は十分にある。お時間のある方には是非お勧めしたい。

 

このあとは、町営バスで本村(ほんむら)地区を目指す。まずはベネッセ運行の無料シャトルバスで終点のつつじ荘まで行く。

▼つつじ荘の海。海水浴場として解放されていて、バーベキュー場や売店、トイレがある。

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写真には写っていないが、右手には草間彌生「南瓜」がある。(黄色のカボチャ。「赤かぼちゃ」は宮浦港にある)
 

つつじ荘から家プロジェクトのある農協前バス停まで、町営バスで行く。大人¥100。5分程で着く。これまたガイド役のスタッフの対応が親切丁寧だ。

 

▼本村地区の雑草。

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▲家プロジェクト「石橋」(千住博)付近の街並。

▼ガレージで野菜を売っている方がいる。残念ながら、ご本人にはお会いできなかったが、「お金」と書かれた缶にコインを入れトマトとナスを頂戴した。

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▲本村港。宮浦港とは違い、こぢんまりとして、漁船が並んでいる。

 

バスで再び宮浦へ。

 

▼路地裏で美人なネコに出会う。

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▲直島銭湯「I♥湯」(大竹伸朗)

 

▼システマティックに整えられた宮浦港。観光案内所、船のチケット売り場、レンタサイクル受付、お土産屋がまとまってガラス張りの建物の中に収められている。

まるで空港のような印象。

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▲高松行きのフェリーに並ぶ長蛇の列に唖然。(※乗船整理券が必要なようだ。宇野行きはこれほどまでは混まなかった)

 

▼再び、宮浦から宇野へ(四国汽船)、そして宇野から家浦へ行くルートを予定。

宇野で1時間の待ち時間を経て小豆島フェリーに乗る。(豊島家浦港、唐櫃港を経由して小豆島土庄港行き)

すっかり夕方の美しい風景だ。19:00の便に乗った。

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▲産廃の中間処理施設と産廃物輸送船「太陽」が見えた。
 
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▼家浦港着は19:40頃。日はすっかり落ちて、夜の風景に変わっていた。海上のフェリーから家浦港を撮る。これまた幻想的な世界であった。

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