atelier omamagoto

written by natsume murao

Natsume MURAO Official web site
audio visual arts, art think tank : atelier omamagoto
www.omagt.com



脆弱

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▲朝焼け。6:00の家浦硯から
今日は唐櫃浜の清掃に参加するため、早めに起床。

台風がもたらした漂流物を回収し、野焼きする。
昨年は砂中に埋めたらしいが、潮の影響もあり得策ではなかったよう。古風ではあるが、浜で野焼きするスタイルに戻ったとの話。


人工的なゴミよりは、2〜3mの流木や竹、笹や葉などが多かった。


火曜日は島内の美術館の休館日。
掃除や草刈りなどのメンテナンスをこなし、あっという間に一日が過ぎる。


▼薄暮の家浦硯。19:00頃。日は短くなった。
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自然は雄大で、偉大で、脅威である。


この島のサウンドスケープもまた素晴らしい。
今、波の音と、夏の虫の声が少し、秋の虫の声に入り混じって聞こえる。
遠くに船のエンジン音が鳴っている。



暮らしの中に音楽が不要とまでは思わないが、脆弱な作品(作品まがいな代物)など吹き飛ばされてしまう。



夏と秋の間

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休日を利用して、久々に豊島美術館へ。

▲秋の収穫が楽しみ。唐櫃岡の棚田。

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▲美術館前バス停の側から

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▲この道が好き。海に突っ込んで行く感じ。

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▲▼自生する植物
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▼棚田の再生と共に在る豊島美術館。
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敷地内では、撮影を遠慮した。

肉眼で見ていただきたい。


母型ー。
環境を受容する器であり、生命を内包する皮膜。

中くらいの泉が泣いているように見えた。
なぜか、悲しくもないのに私もつられて泣きたくなった。

シェル構造の内部は、不思議な音響空間でもある。

産まれたての赤ちゃんみたいに、余分なものが剥がれ落ちてまっさらな身体になった気分。

私が今、ここにいるきっかけは二年前の「ここ」だ。

(二度と同じ空間は現れない)



▼唐櫃岡から、甲生へ。
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この後、急な坂道が続く。

▼甲生の夕方。
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今日も良い一日だった。

▼家浦硯の夕日。
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この色、初めて見た。









土庄へ買い出しツアー

雨降りの休日。食材のストックもなくなってきたので、買い物へ。
目指すは小豆島・土庄。
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▲小豆島フェリー  マーレ豊島に乗る。
乗船券¥750
 
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▲▼家浦港を出港。
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▲▼可愛いらしい船内。白とペールブルーのツートンカラーの天井。
カラフルな水族館のようなシート。
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▲唐櫃港を経由して、土庄港へ向かう。
唐櫃港までは約10分。すぐに出港して、さらに15分程で土庄港に着く。
(旅客船の場合。便によってはフェリーだが、2倍の所要時間となる。)
 
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▲▼土庄港に着いたら、町営バスに乗る。案内表示が液晶パネルでハイテク!
初めて見た。
整理券を取り、降車駅でバス賃を支払うシステム。
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▲三つ目の停留所で下車。バス賃¥170
 
▼ここはショッピングセンター、オリーブタウン!
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▲帰えりのバスもチェック。
 
小豆島の建造物は面白い。
豊島の人口が約1000人に対し、同じ土庄町でありながら小豆島の人口は3万人超。
 
色々なライフスタイルの島民がいるのだろう。
 
許可を得ていないので、写真こそ掲載できないが、
三軒分の長屋を切り離して独立させたり、一部だけ西洋風に改装している建物など。または瓦屋根を残しつつ壁はトタンにしていたり。風害に遭ったのだろうか。
 
油屋さんの大きなお屋敷は離れもあり立派だ。
これまた瓦屋根と西洋風の横木の壁でできた講堂のようなスペースが併設されていた。
 
以前、神戸の異人館で聞いた話だが、
文明開化の頃、西洋風の建築様式を輸入した際に、屋根だけは費用と技術の問題で西洋方式を採用できず、日本古来の瓦屋根を採用したそうだ。
屋根と壁がちぐはぐな、絶妙な感覚の見応えがあるわけ。
 
 
豊島はある意味で、ヨーロッパ的な街並みを持つ。
歴史のある一点で、一斉に時間が止まってしまったような様相だ。
黒い焼き板の壁と瓦屋根、各地域独特の壁。
そして深い深い森に守られている。
 
大きな企業を受け入れて来なかったことが、昔ながらの自然環境を守ることになったと言われている。
 
瀬戸内の島々の中でも、大企業を受け入れて来た島がある。
直島や小豆島がそうだ。
 
小豆島は動的に変化をせざるを得なかったのだろう。
そして自ら楽しんできたのだろう。
 
人の暮らし方の変移的歴史を感じられる、貴重な場所である。
 
 
 
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▲土庄港フェリー待合にあるポスター。瀬戸芸祭の公式ポスターの他、各地域オリジナルのデザインがある。
小豆島は小豆島町、土庄町があり、豊島は後者に属している。
 
▼芸祭秋会期の公式ポスター。
このオレンジ色は何の色なのか、答えを知るのが楽しみ。
 
3シーズン(春会期)のシルバーは、海の色であった。夏会期の青は、空の色だ、と島暮らしを通じて感じた。
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▲土庄港から豊島へ帰えるところ。フェリーの中から。波が高く、山の上半分が霞んでいる。
 
まだまだ嵐が続きそう。
 

再び東京から豊島へ・新幹線を使う

一ヶ月半、自宅を空けていたが、特に問題はなかった。
冷蔵庫は空にし、アルコール除菌しておいたお陰でカビ害などもなく。
強烈な日差しが差し込むトイレの窓には、外側から簾、内側にはビニールカーテン(熱対策用にレースカーテンと窓ガラスの間に吊るすタイプ。ホームセンターで購入)をしておいた。こちらも役立った。

ピアノは多少の狂いはあるだろうが、私の鈍っている耳には聞き取れない。
我ながら、良い音のするピアノだ。

少し衣料や楽譜を豊島に持って行くべく、準備をした。

一時帰京ーー。
危惧していたような、人混みや混雑をうっとおしく感じることもなく、東京にもすぐ馴染めた。
ただ、今の自分の所在が曖昧な状態でああるからこそ錯覚を起こしていた。

「豊島での日々は実は、うたた寝なぞしていた束の間の夢ではなかろうか」と。

意識朦朧としたまま、時間に追われ、自宅を出る。




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▲品川から山陽新幹線に乗る。

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のぞみで約三時間。そう思うと、岡山も遠くはない。

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▲もうすぐ岡山駅

岡山駅は賑わっている。
なんだかまだ品川の延長のよう。

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▲▼新幹線を降りたら、在来線(瀬戸大橋線)で茶屋町駅方面へ。
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茶屋町駅宇野線に乗り換えて宇野駅まで
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▲▼この電車のシビれるところは、アラーキーの作品で染まっている他に…
座席の背面を自分で変えられる点!
茶色の手すりを持って、上に持ち上げた後横スライド。ヨイショッ!ガシャン!
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宇野駅に着いたら、目の前の宇野港から小豆島フェリーで豊島へ。
行き先の違う船もあるので、間違えないように。

▼四国汽船の直島行き(左)と高松行き(右奥)
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これらの左側に小豆島フェリーは停まる。

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▲フェリーの甲板から
19:00を過ぎ、あたりは真っ暗だ。


▼本日のルートのおさらい。
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緑茶を飲んで、ホッとため息が出るような感覚がここ豊島にはある。


土の匂いや虫の声を感じてホッと、落ち着く。


爽やかな朝

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▲バスから見た朝の川崎、お台場、新宿、東京タワー。
見慣れた懐かしい風景。

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地方都市での暮らしを賞賛することと都市生活での暮らしを否定することは、イコールではない。


新宿のスタバで、モーニングコーヒーを飲みながら思った。

朝が爽やかならば、新宿もいいもんだ。

一時帰京

東京の自宅マンションに風通しする目的で一時帰京。

18:55家浦港発の小豆島フェリー マーレ豊島で経つ。

なんだかもの悲しい夕刻。

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▲直島を海上より見る。

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宇野港着。約20分の航海だ。
(乗船券¥750)

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▲宇野駅にある岡山駅方面の時刻表

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▲路線図
岡山駅も四国も近いことがわかる。
(とは言え、岡山駅までは約一時間)

▼宇野駅からの乗車はPASMOは使えない。切符を購入。
宇野駅-岡山駅  ¥570
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宇野港の夜。

この電車に乗って岡山駅まで
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岡山からは高速バスで新宿まで。
10時間の長い移動。
(これがもし飛行機だったら、ヨーロッパまで行けるくらい)

早めにチケットを買っていたので、お得!ナント  ¥4870!
中国JR運行の 京浜吉備ドリーム で行く。



無花果

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数時間、自転車を止めていた所に戻ると

「???」

カゴに無花果が!

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なんで?(嬉)
どちら様のイタズラ?

と暫し直立していた。

するとそこへ通りかかった地元のおばあちゃんが、
「自転車おたくの?」
と。

「なんもなくてごめんね」

何もない=袋などに入れない状態のことを指している。

それでも、綺麗に底に無花果の葉が敷いてあった。

「小さいから、美味しくないけど、初物食べると75日は元気でいられるから。

珍しいから良いと思って。」


移住して一ヶ月が経つが、まだまだ面識の無い方もいるし、私なんかよそ者だ。


よそ者にだって、愛情を注いでくれる島内の温かさに感謝したい。

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